社長とは恋愛しません!
そして、誓いの言葉が始まる。

「はい、誓います。」

柚季君の言葉に、胸がぐっとくる。

「新婦、依田景子は、真田柚季を夫とし、病める時も健やかなる時も、変わらぬ愛を誓いますか。」

私は、柚季君の方を見た。

思えば、最初は”もう社長とは恋愛しない!”って、決めていたんだよね。

それが、柚季君の愛情に導かれて、ここまでやってきた。

私が、一生のパートナーとして選ぶのなら、もう柚季君しかいない。

「はい、誓います。」

目に、涙が溜まった。


「では、指輪の交換を。」

柚季君と向き合って、指輪の交換をする。

柚季君の手、改めて見ると白くて綺麗だなぁ。

「景子、左手出して。」

「あっ、はい。」

柚季君の手に見とれていたら、自分の手を出すのを忘れていた。

柚季君の手で、私の左手の薬指に、結婚指輪が添えられる。

そして柚季君の左手の薬指にも、同じ指輪が。

ちょっと、頭の裏がくすぐったくなってきた。

「では、誓いのキスを。」
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