社長とは恋愛しません!
けれど、いつまで経っても、唇は重ならない。

そっと目を開けると、至近距離で社長が私を見ていた。


「君って、近くで見ると肌綺麗だね。」

「一応、手入れはしているので。」

「クククッ!」

また笑っている。

何で?肌手入れしているって言って、笑われなきゃいけないの?


「あーあ。君って、手ごわいね。」

「そうですか?」

いや、私ももう少しで、社長に落ちそうになった。

秘書でなければ。相手が社長職じゃなければ。

どうなっていたか、分からない。

「お陰で、今夜の相手は、見失ったよ。」

「えっ?」

すると社長は、ニコッと笑った。


その笑顔が、私の胸をキュンとさせる。

どうしてだろう。

何だか、社長がものすごく、可愛く見えた。
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