社長とは恋愛しません!
「どんなドレス?」

「ベーシックな黒のドレスです。」

「それじゃあ、シック過ぎるな。」

「えっ?」

社長は私を見て、ニコニコしている。

「よし。今から、買い物に行こう。」

そう言って社長は、私の手を繋いだ。


ー 景子、買い物に行こう ー


蘇る過去。

「嫌っ!」

私は社長の手を振り払ってしまった。

しまった!

社長は何も知らないのに、急に手を振り払ったら、おかしく思われる。

「すみません!」

頭を下げたけれど、社長許してくれるかな。


「ごめん。謝るのは、俺の方だ。」

「えっ?」

顔を上げると、社長は寂しそうだった。

「昨日の今日だったから、親しくしても許されると思ってた。急に、手を握ったりして、ごめん。」
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