社長とは恋愛しません!
「どうした?シャンパンで酔った?」

「あっ、いや……」


まさか、社長に酔っていたなんて、決して言えない。

社長の顔は、完璧だ。

肌は白くて、睫毛が長い。

切れ長の目は、私の瞳を捉えて、離さない。

唇は、まるでルージュを塗ったかのように、紅く膨らんでいる。


「景子さん?」

一瞬、思考が止まった。

「はい?」

「いや、何だか俺をジーっと見て、危ない目してたから。」

危ない目⁉

もしかして、狙っていると思われた⁉

そんな事、ない。

だって、私は……


社長とは、恋愛しないんだから!


「俺の家で酔いを冷まして行けばいいよ。」

「はい。」
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