社長とは恋愛しません!
と言いつつ、またチラッと、社長を見る。

社長、シャンパン飲みながら、うつらうつらしている。

疲れているんだな。

私は社長の手から、シャンパングラスを奪い取った。


「えっ……」

「大分お疲れのようですから、少しお休みになって下さい。」

社長は、フッと微笑んだ。

「じゃあ、お言葉に甘えて。」

そう言うと社長は、腕を組んで、私の肩にもたれかかった。

「社長~!」

「いいでしょ、減るもんじゃないし。」

ああー、もう、絶対わざとだ。

その瞬間、サラサラした社長の髪から、甘いシャンプーの匂いがした。

ずるい。

そんな事されたら、誰だって、社長の事好きになるじゃんか。


しばらくすると、スースーッと寝息が聞こえてきた。

社長の長い睫毛が、色気に変わる。

私の胸は、ドキドキしっぱなしだ。

社長に聞かれたら、マズいって言うのに。
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