社長とは恋愛しません!
そしてようやく、社長の家に辿り着いた。

「社長、ご自宅です。」

「ん……」

運転手の人は、ドアを開けると、”社長、大丈夫ですか?”と聞いている。

「うん。」

何とか外に出た社長は、もうフラフラだ。

「お連れ様は、どうされますか?」

運転手の人が、私に聞いた。

「ああ、社長の家で休んで行きますので、今日はもうお帰り下さい。」

「承知しました。」

そう言うと運転手の方は、ドアを閉めて、行ってしまった。


シャンパン代、いくらぐらいだったんだろう。

そんな事を思いながら、社長の側に行った。

「社長、私につかまって下さい。」

「ああ。」

社長は、私の肩に腕を回した。

その瞬間、首筋から社長の、甘い匂いがした。

それは香水でもなく、シャンプーの香りでもなく、社長の肌の匂い。

やだ、私。

社長の色気に、夢中にされている。
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