社長とは恋愛しません!
玄関に着くと、電子ロックがかかっている。

「社長、暗証番号、入力してください。」

「うーん……何番だったかな。」

「思い出して下さい!」

私が社長の家の、暗証番号知っている訳ないし。

かと言って、ここでグズグズしている暇はないし。


「あっ、そうだ。花音ちゃんだったら、知っているかな。」

この前偶然にも、花音ちゃんとLINE交換をした。

特に使うと思っていなかったけれど、こんな時に役に立つだなんて。

「夜中にごめんなさい。社長の家の、暗証番号何番ですか。」

社長を抱えながら、LINEを打つのは、腕がつりそうだ。

だが、返信は【 どうかしたの? 】だった。


そうですよねー。

簡単には、教えてくれませんよねー。


「酔った社長を、家まで連れて来たんですが、暗証番号忘れたみたいで。」

くー!何でもいいから、早く教えてくれー!

すると、花音ちゃんから暗証番号が、LINEで送られて来た。

「ありがとう、花音ちゃん。」
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