社長とは恋愛しません!
呼吸が、荒くなる。

何私、興奮してるの!

「少しだけですよ。」

私は、大きく息を吸うと、ソファーの側に座った。

あーあ。これじゃあ、社長は女の子、選びたい放題だろうなぁ。

抱かれたい人も、たくさんいるだろう。

かく言う私も、吸い込まれそうになった。


「なあ、今日どうだった?」

「えっ?」

私は、社長の顔を覗き込んだ。

「楽しかったか?」

「……はい。」


本当はウソ。

今日、改めて社長って、モテるんだなって思った。

そして、社長を囲んだ女性達も、キラキラして美しかった。

それに比べて私は、この社長に選んで貰ったドレスが、似合っていたのかさえ分からない。

私は、社長の側にいるような、女じゃないんだ。


「君さ。いい女だったよ。」

私の目が点になる。
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