社長とは恋愛しません!
「はい?」

「いい女だった。連れて歩くのが嬉しかったよ。」

そんな事、言われたのは初めてだった。

「……ありがとうございます。でも、私はそんないい女じゃ、ないです。」

「自分を卑下して、どうすんの。」

ドキッとした。


まただ。呼吸が、はぁはぁと荒くなる。

持っていかれそうになる。社長に。


「そんな顔、するなよ。」

社長の手が伸びる。

私の頬に、社長の手が当たって、だんだん社長の顔が……

ん?近づいてくる~~!!

私は、思いっきり社長を、突き飛ばした。

「えっ?」

社長は、ここまできて、キスを断るのかって顔している。


「駄目です。私、社長とは恋愛しないので。」

そう言って私は、立ち上がって荷物を持って、玄関に走った。

「待って!」

何故か、社長が追いかけてくる。
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