社長とは恋愛しません!
「行くぞ。」

社長は、私の腕を掴むと、レジに並んでドリンクを買って、コンビニの外に出た。

「大体、隙がありすぎるんだよ。」

「すみません。」

「他の奴に、触らせんな。」

「えっ……」

社長は、買ったV.Cドリンクを、一気飲みした。

「会社に帰る。」

社長は背中を向けて、歩いて行ってしまった。


もしかして、社長。

嫉妬してくれた?

私は、下を向いた。

身体の奥が、トクントクンと波打っている。

さっきの社長の言葉、嬉しい証拠だ。


でも、もう社長とは……


「何してるんだ!早く来い!」

「あっ、はい。」

社長を追いかけて、側に行くと、社長の耳が赤くなっていた。

もしかして、照れてる?

社長、可愛い。

男性を、可愛いだなんて思うのは、人生で初めてかもしれない。

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