社長とは恋愛しません!
ふと社長を見ると、寂しそうな顔をしていた。

思わず、声を掛けそうになったけれど、グッと堪えた。

拒絶された気持ちは、分かる。

でも、ここは職場だし。

仕事に関係ない事は、やってはいけないと思う。

ここは、社長の為に、無視するのが正解だ。


「すまなかった。」

私は、社長の方を見た。

「仕事に関係ない事を、君に強要してしまった。」

「いえ。気を付けて頂ければ、それで結構です。」

私がそう言うと、社長はニコッと笑った。


「ますます、気に入った。」

「えっ……」

社長は、私の目の前に、顔を近づけた。

絶対、懲りてないでしょ、この人!

「今までの女だったら、キスしてって言えば、キスしてくれた。断られたのは君だけだ。」

「それは、仕事中ですから!」

「仕事中でも、他の女性は、キスしてくれたよ。」

グっ!何なんだ!その女達は!
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