社長とは恋愛しません!
でも、意に反して、私の心臓はドキドキしている。

社長に、好きと言われて、本当は冷静でいられない。

こんな綺麗な顔をした社長に、”好き”って言われて、普通でいられる人なんている?

私は、いないと思う。


「だって、どうして私なんですか。」

取り敢えず、聞いてみる。

私を好きだって言う理由を。

「簡単に、俺に落ちないところかな。」

「それは……」

私が、”社長”と恋愛しないと決めているからで、もし社長が”社長”でなければ、とっくに落ちていた。


でも、駄目。

社長と恋愛したら、またあの二の舞になる。

私は、あれで二度と社長と付き合わないと、決めたのだ。


「ごめんなさい。やっぱり無理です。」

すると社長は、私の椅子のひざ掛けに、手を乗せた。

「いいよ。謝らなくても。時間をかけて俺のモノにするから。」

社長の瞳が、真っすぐ私を見る。

「大体、俺の家に2回も来て、抱けなかった女は、君が初めてだよ。」

「はあ?」
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