社長とは恋愛しません!
「すみません。」

そうだ。神崎さんも、デートの約束の時は、残業を許してくれなかった。

社長命令と言えば、何でも通ると思っている人だった。

でも、社長は違う。

「社長、10分だけお時間下さい。その間に、仕事を終わらせます。」

「ああ、いいよ。」

社長はそう言うと、近くのソファーに座った。

私は無事、仕事を再開させた。

期限は10分。集中しよう。


社長室に、キーボードの音が鳴り響く。

その間、社長は私を見つめっぱなしだ。

「社長、そんなに見つめられると、緊張します。」

「好きな人を見つめて、何が悪いの?」

「す、好きな人⁉」

私は間違えて、訳の分からないワードを打った。

落ち着いて。ここは落ち着いて、削除しよう。


「いい眺めだね。」

社長は私に対しては、かなり甘めだ。
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