社長とは恋愛しません!
振り向いたら、社長はうつむいているように見えた。

「俺は、景子さんが言うなら、社長職辞めていいと思うよ。」

「えっ!?」

私は唖然として、その場に固まってしまった。


社長は、お父様の体調が悪くなって、この会社を継いだ。

もし、社長が辞めたら、誰が社長になる?

私は、頭の中がグルグル回った。


「なーんてね。」

社長は、舌をペロッと出して、歩き始めた。

「えっ?社長?社長を辞めたりしないですよね。」

「当たり前だろ。俺が辞めたら、誰が社長になるの。」

「そうですよね。」

急に立ち止まった社長の背中に、ぶつかった。

「それくらい、景子さんの事が好きだって事!」

「えっ……」

胸が、ジーンときた。

そんな事、言われたの、私初めてかもしれない。

「何だよ、急に黙って。」

「いえ。行きましょう。」
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