社長とは恋愛しません!
心臓の音を気にしながら、席に座った。

「お食事をお持ちしました。」

お店の人が並べる、数々の料理の品。

どれも美味しそうだ。


「では、ごゆっくりどうぞ。」

お店の人が部屋から去って、私達二人きりになった。

「景子さん。」

身体がビクッとした。

「な、何でしょう。」

「ははは。何も取って食べようとしてるんじゃないからさ。」

社長の笑顔が眩しい。


この人が、社長じゃなかったら。

元カレが、社長じゃなかったら。

私はこの人と、恋愛していたかもしれない。


「その代り、聞かせて欲しい事がある。」

「聞かせて欲しい事?」

社長はお酒を飲むと、ニコッと笑った。

「君は、前に社長と交際していたよね。」

サーッと血の気が引いて行くのが分かった。
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