社長とは恋愛しません!
「名前は、神崎英寿さん。歳は景子さんより三歳上。自分の起こした会社で、代表を務めていた。」

手が細かく震える。

なぜ?なぜ、社長が知っているの?

「だが、経営は傾き、しばらくして二人は別れている。間違ってない?」

「どうしてそれを、社長が知っているんですか?」

「調べさせてもらった。」

私は大きく息を吸った。

「そんな事、プライベートの侵害です。」

「すまない。でも……」

「でもじゃありません!」

私はテーブルを叩いて、立ち上がった。


「人には、知られたくない過去があるんです!」

そう言って、部屋を出ようとした。

「待って、景子さん。」

社長は、立ち上がって私の腕を掴んだ。

「本当にすまない。でも、どうして社長と恋愛したくないのか、知りたかったんだ。」

「もし、そうだとしても。」

私は社長の手を、そっと放した。

「私の口から、言いたかったです。陰でこそこそ調べるなんて、卑怯です。」

私は、部屋から出た。

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