社長とは恋愛しません!
私だって本当は、社長と一緒にいたい。

でも、私がいたら、会食が成り立たなくなるだろう。

それは困る。


「ああ、でも思い出すな。」

「何をですか?」

そう言うと社長は、自分の唇を人差し指で指差した。

「景子さんから、キスしてくれた事。」

「へっ!!」

あれから一週間経っているって言うのに、まだ覚えているの!?

どれだけ私の事、好きなのよ~!

私は、社長に背中を向けて、顔を両手で覆った。


「あれ?景子さん?」

社長が、私の顔を覗く。

「あっ、またゆでだこみたいになっている。」

そりゃあなるわよ。

社長の唇を指差す仕草、結構萌えたもん。

「景子さーん。」

私は息を吸うと、呼吸を整えた。

「はい。仕事頑張ります。」
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