社長とは恋愛しません!
正面を向くと、社長が私のデスクの端に、顎を乗せている。

はっきり言って、その仕草可愛い。

「もしかして、俺と付き合ってくれる気になった?」

「はあっ⁉」

過剰に反応すると、社長は笑いながら、自分のデスクの方へ向かった。

勘弁してよ。

そうでなくても、社長にドキドキして、たまらないんだから。


仕事をする振りをして、ふと社長を覗き見た。

サラサラの髪、陶器のような滑々の肌、澄んだ瞳。

どれも、人の目を捉えて仕方がない。

なので、余計に思ってしまう。


私で、いいのですか?と。


もちろん、人を好きになったら、そんなの関係ないって、誰しもが思うだろう。

でも、相手は前途ある社長だ。

私などが、触れていいはずない。

このドキドキは、密かに隠しておこうと思う。


「景子さん。」

「はい。」
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