社長とは恋愛しません!
その言葉を聞いた途端、あんなにドキドキしていた胸が、急に引いた。

確かに、柚季君からは、好きだって言われている。

だから、付き合うのは私次第なのかもしれない。

でも、男性から”付き合って””彼女になって欲しい”って、言われたいのは我が侭なのかな。


「さあ、起きようか。」

柚季君は起き上がると、ベッドから離れた。

「いつまでも寝ていると、襲っちゃうよ。」

私は目が覚めて、起き上がった。

まさか夜しなかったのに、朝するなんて恥ずかしい。

私もベッドから離れると、顔を洗う為に、柚季君と一緒に部屋を出た。


洗面所は、1階の奥にあって、結構広かった。

「はい、タオル。」

「ありがとう。」

タオルもふかふか。

何もかもが、上級品だ。

「朝ご飯、昨日のシェフが雑炊を作っていったから、それを食べよう。」

「うん。」

本当は、コースの〆だったんじゃないかと、ちょっと思った。

そう言えば、酔い過ぎて、最後の方覚えていない。
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