社長とは恋愛しません!
「朝ご飯食べたら、家まで送るよ。」

「ええ!?社長自ら運転を!?」

今まで、タクシーか運転手に頼んでいたのに。

「これでも免許持ってるんだよ。任せて。安全運転するから。」

朝から、柚季君の笑顔を見れるなんて、ちょっと得した気分だ。


そしてテーブルには、昨日来て貰ったシェフ特製、卵雑炊。

シンプルだけど、素朴な味で美味しい。

「うん、美味しい。昨日のシェフ、また頼もうかな。」

柚季君は、請求書を見ている。

「ちなみに、いくらぐらいだったの?」

「ん?そんなのは、景子さんが気にする事じゃないよ。」

そう言って柚季君は、請求書をポケットの中に入れた。

きっと、10万近くするんだろうな。

いづれにしても、私には遠い世界だ。


「あまり、気に入らなかった?」

「ううん。とっても美味しかったよ。ただ……」

「ただ?」

「……柚季君と、そのシェフの料理を食べるのは、今度は誰なのかなって。」

もしかして、私以外の人なのかもしれない。

恋人じゃないんだから、次の保障はない。
< 99 / 295 >

この作品をシェア

pagetop