キミの隣は特別席

「あれ?お前ら知らないの?」

優一が首をかしげた。

「何を?」

「樹んちはこの辺じゃ一番大きな病院だよ。」

「?!」

「ちなみに、あたしんちは優一の所同じでいろいろしてる。ホテルとかデパートとかいろいろ。」

…すごい…なんなのこの人たちは…

隣に座っている絢もさすがに驚いていた。




次のページには、小学生ぐらいの柔道着を着た優一と松堂、可愛い服を着た雪音ちゃんが写っていた。しかも、優一はトロフィーを、松堂は賞状を持っていた。

「懐かしいなこれ。」

優一はそう言って、写真を見た。

「柔道してたの?」

「中学までな」

「俺ら柔道と空手をしてた。」

と松堂。

「させられてたんだよ。母さん達が自分の身は自分で守りなさいって言っててな。」

と優一が懐かしそうに言った。




.





< 120 / 342 >

この作品をシェア

pagetop