キミの隣は特別席

文化祭当日

「城田さん!佐原さん!!」

「相川さん?」

この御伽噺喫茶を提案した栗色の髪をした女の子。

「これ着てくれる?」

「これ?」

渡されたのは紙袋。

「今日の衣装が入ってるから!赤色が城田さんで、白色が佐原さんの。
着替えたら教室にきてね!」

そう言って、教室に入って行った。

「絢、着替えよ!」




数日前にコンテストの予選があって、優一も絢も予選通過をした。




「マナちゃん!どうしよう!?」

着替えた絢があたしにしがみ付いて来た。

「どうしたの?」

「傷が…」

「傷?」

絢の服は白色のドレスだった。しかも、肩が見えるため絢の傷が丸見え。

これは、絢にとって…


「化粧で隠す?」

「う~ん…そうするしかないよね?」

「うん。」

多分…

「あとで、雪音ちゃん呼んでこようか?」

絢が頷いた。



最近知ったことがある。それは、雪音ちゃんの家が大手の化粧品会社であること。
新作の試供品をたまにくれたりする。




「マナちゃんの衣装って…」

あたしの衣装はやけに丈が短いドレスになっている。真紅のドレスでかなり目立つ。

「目立つよね……絢はシンデレラの衣装だよね?」

「マナちゃんのは…なんだろうね?」

2人そろって首をかしげた。





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