キミの隣は特別席

「優一!」

後姿の優一に声をかけた。

「おそ……い…」

振り返った優一はあたしを頭の先から足の先まで見るようにした。

変かな…?
でも、優一はかっこいい!!

「あたしたち先体育館に行くね?」

雪音ちゃんと松堂は体育館に行ってしまった。
絢は体育館裏に行くと言って行った。



「優一?」

「あっ、似合ってるよ?」

「ありがとう…早く行こう」

顔が熱くなるのを感じる。


不意に優一に手を握られた。

「こうした方がカレカノに見えるだろ?」

…そうだね。
はぁ…本物のカップルになりたいよ…





「男子からだから。」

新聞部の人から説明を受けた。

「彼女さんたちは後から出てきてください。」

…優一と釣り合うのかな?


「マナちゃん?緊張してる?」

「多少…」

「大丈夫だよ。春沢君ついてるし」

「そうだよね?」

優一がいるから大丈夫!!




「何が大丈夫よ!」

後ろから声がした。振り返ると花柄のワンピを着た3年生がいた。


「2年連続ミスコン優勝者だって。」

絢が耳元で言った。

…絢に嫉妬してるのか…負けてしまうって思っているのか






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