キミの隣は特別席

「はぁ〜」

樹が向かい側のソファーに腰掛けた。

「何かあったのか?」

いつもの顔じゃない、深刻な顔をしている
いつぶりだろ?こんな顔している樹をみるの

「父さんに」

おじさんに?



「将来、医者になるのか病院の経営者になるのかきちんと考えろって…」

葉月姉さんが今医者だしな…

「樹はどうしたい?」

「俺さ、小さい頃から自分は医者になるんだとばかり思ってたから……でも、姉さんが医者になってるから俺が医者になる必要ないと思うんだよ…」

そう考えたら医者になる必要ないな…

「樹は医者になりたくないのか?」

「なりたいよ…人を助けたいと思うし。
でも、家のことを思ったら…」

樹はさらにため息をついた。


これは雪音にも相談した方がいいな


「俺は樹がやりたい方を選ぶべきだと思う。雪音にも相談しろ」

「うん…」



会話が終わったタイミングで雪音たちが入ってきた。

「出来たから、食堂に来て!」






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