キミの隣は特別席
日が傾きだし、部屋がオレンジ色に染まりだした。
「そろそろ帰ろうか?」
マナたちに言った。
「そうだね」
「雪音ちゃん!これ持って帰っていい?」
佐原が余っているケーキを指していった。
「いいよ」
佐原とマナはケースにケーキを詰めていった。
「優一は持って帰らないの?」
「俺はいいよ」
結構食べたし…もう食べたくない
「そう…」
そんな沈んだ顔しなくても…
車が来たので乗って、家まで帰った。
途中で佐原を降ろした。
「これ食べない?」
「もう結構食べたからいいよ」
また、勧めるのか?
「わかった。」
マナの家に着くまで、マナは車の外を見ていた。
「着いたよ」
「ありがとう」
そんなに悲しい顔しなくてもいいのに…
「マナ…」
「何?」
「やっぱりケーキもらえる?」
急に言ったら驚くか…
「いきなり何かと思えば…はい。じゃあね!」
ケーキが入った箱を俺に渡して、車から降りていった。
マナが嬉しそうな顔をしたような気がする…
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