キミの隣は特別席

お兄さんがステージで挨拶をして済んだら、優一について挨拶をしていった。



なんだか、いずらい…なんか苦しい
あたし…優一の隣にいては駄目だ…似合わないよ…






「マナ?」

優一が顔を覗き込んできた。

「えっ!?あっ…何?」

「さっきからボーっとしてどうした?」

目の前に透明な飲み物が入ったグラスを差し出された。
それを受け取り、半分ぐらい喉に流した。

「何でもないよ…ちょっと」

「どこに行くんだ?」

「お手洗い」

優一はここで待ってるとだけ言って、あたしは会場を出て行った。






あたしは…どうしてここにいるんだろう…

自然とため息が出た。
トイレに入り、鍵を閉めて洋式だから座っていた。

絢とかとクリスマスプチパーティーすれば良かった…そうすれば、楽しいクリスマスだったのに…



「楽しみにしてたのに!いきなり恋人ってあり得なくない?」

女の子怒った声がトイレに響いた。

「佳苗は春沢くんのことずっと好きだもんね?」

「悪い?だって、櫻木さんが許婚だって思ってて、手が出せなかったもん!!」

女の嫉妬って怖い…

「あの子、どうみても庶民よ!春沢くんに似合わないわ!」

「そうね。春沢くんの隣にはやっぱり佳苗だよ!!」

「そうでしょ?」

やっぱり…あたしと優一では違いすぎるんだ


やばっ!涙が…





「マナちゃん!」

この声、雪音ちゃんだ…




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