キミの隣は特別席

「マナちゃん?どうしたの?」

「雪音ちゃん…」

「もしかして泣いてるの?ここ開けて?」

素直に鍵を開けて、外に出た。

「優一がマナちゃんが戻ってこないって心配してたよ?」

「あたし…優一の隣に立てないよ…」

「そうなことないよ!どうしたの?」

雪音ちゃんは優しくあたしの髪を撫でてくれた。
佳苗って女の子に言われた事を言った。

雪音ちゃんに言っても無駄なのに…

「そっか…」


しばらくして、雪音ちゃんのケータイがなった。

「でなよ…雪音ちゃん」

「ごめん」

そう言って、電話に出た。

たぶん松堂だろうな…

「あっ?優一?見つかったよ、マナちゃん!今から連れて行くから」

えっ!?行けないよ!優一の所なんかに!!


雪音ちゃんはケータイをたたんでこっちを見た。

「行こうか?」

「む、無理!!」

雪音ちゃんにメイクを直してもらい、引っ張られてトイレから出された。







「優一!」

会場の入り口に立っている松堂と優一に雪音ちゃんが叫んだ。

「遅い」

「ご、ごめん…」


雪音ちゃんは松堂と会場に入って行った。




「何があった?」

優一が待たされて怒っているのだろう、声が若干低い。


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