キミの隣は特別席

「何かあったの?」

と雪音ちゃんが口を挟んできた。

「うん…」

「マナちゃん!あたしが話すよ?」

絢が言葉を詰まらすあたしに言った。



「雛見太陽は中学の時の彼氏なの。表向きはさわやか系。でも、本当は束縛が強く、キレやすい性格。」

やっぱり…

「絢、やっぱりあたしが話すよ。」

「いいの?」

うんと頷いた。

あたしから優一に話さなきゃ意味がないと思う…




「太陽とは中学3年の6月頃付き合い始めたの。2学期になって絢に嫌がらせしだしたの。」

「あたしはいっつもマナちゃんといるから、あいつにとってあたしは邪魔な存在。」

絢が付け加えるように言った。

「あたしはあいつに言ったの、絢に何もするなって…でも、あいつは嫌がらせしない代わりに絢と絶好しろと言いだした。それと男子と何があっても話すなって。」

思い出すだけで悪寒がはしる。

「それを聞いて太陽に別れようって言ったの。そのあとすぐに太陽は親の仕事の関係でアメリカに行ったの。」

おおざっぱだけど話したからいいかな?…でも…




「マナ、あんまり一人になるなよ?」

優一があたしの頭を撫でながら言う。

「うん!」

優一が側にいるから大丈夫かな?




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