キミの隣は特別席
1時間目の終わるチャイムが教室に響いた。
全然授業聞いてなかった。別に聞いてなくても大丈夫なんだけど。
城田にメールを送った。
『昼休み始ったら、すぐ屋上に来い。』という内容を。
-昼休み-
チャイムが鳴り終わったら、購買により屋上に向かった。
意外にも風が吹いていて、心地良かった。梅雨が来る感じではなかった。
「風があって気持ちいい~」
樹が両手を広げながら言った。
「そうだ。樹、これ見てみろ。」
俺は藤本さんから受け取った封筒を渡した。
「なんか入ってんの?」
そう言いながら、封筒から書類を出した。灘崎の会社の書類。
「驚いただろ?」
「これいつ倒産してもおかしくないじゃん?!」
珍しく樹が本気で驚いている。
「まだ、封筒の中にあるだろ?」
そう言ったら、樹がもう1枚書類を封筒の中から出した。
「なんだこれ…」
有り得ないという風な顔をしている。俺が予想していた反応。
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