【彼氏いない歴=年齢ヒロインの塩っぱい人生の彼女と王子様みたいな甘い彼の物語】

第4話 反則技だよ〜!

 だめだ〜。
 めっちゃイケメンすぎる。

 恥ずかしくって目を見れない。
 視線を合わせるなんて、無理無理。

 私はペットショップ店員さんにしてジュース売りの麗しき王子様から、搾りたてピンクグレープフルーツジュースとお釣りを受け取ろうとしている。

 私は受け取るお釣りの王子様の渡し方に疑問を感じた。
 なんだ?
 なんだ?
 てっ丁寧すぎる。

「ありがとうございました」
 あのね。
 お釣りの小銭を優しくフワッと私の手の平に置いてから。
 王子様は上下に自分の両手を重ねるか重ねないかの絶妙な距離感で私の手と小銭を包み込み落とさないように渡してくれたのだ。

 こっこんな!
 こんなお釣りの渡し方を私はされたことがないわ〜。

 昨日のペットショップの会計は年配の店長さんだったし。

 昨日もこんなのが良かった〜。

 ペットショップ店員さんにしてジュース売りの王子様。

 はっ反則技だよ〜!
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