鮮やかなもの
「えっと…なんか間違えてる?」

あまりに優心を見るものだから、優心はたじろぐ。

「見張ってます。
料理に変なもの入れられても困るじゃないですかぁ」

その言葉にカチンときた優心は、包丁をダンッとまな板の上に置くと、

「なら、自分で作ったら?」

萌美を軽く睨んで、キッチンを出た。

残された萌美は、

「なにあれ!
むかつく!」

自分の事を棚に上げて、優心に怒っていた。

その夜、

「ゆっこちゃ~ん」

深雪に呼ばれた。

「めぐちゃん、鍋やフライパンを洗うの嫌いだから、洗ってくれない?」

深雪は、20歳をとうにすぎた娘に、未だにちゃんづけをしていて、正直な話、気持ちが悪い。
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