凍りついた私は腹黒い王子殿下の執着愛に溶かされる
 王宮で食事なんて緊張しないわけがないと思う。昨日はいろいろありすぎて頭がいっぱいだったし。

「ならば、陛下に夕食に誘われていたが断っておく。部屋に用意させよう。俺と二人なら緊張しないだろ?」
「ご配慮、ありがとうございます」

 別の意味で緊張する気がする。
 だけど、そんなこと言えなくて、私は微笑でごまかした。

 食事を終えると、殿下と一緒に迷路に挑戦した。
 背の高いひまわりは私たちをすっかり隠してしまい、侍従はすぐに見えなくなった。

 日差しは暑いのに、空が青いせいか、なんだか爽快な気持ちだ。

「……ああ、二人きりだ」
 ふいに、殿下がつぶやいた。

「なあ、いいだろ?」
 殿下が私の顎に手を当て、上向かせる。

 日差し以上に熱い殿下の眼差しに、私の胸がどうしようもなく高鳴る。

 殿下の顔が近づき、私は目を閉じた。
 私に触れた唇もまた熱い。

 殿下は舌を唇に滑らせ、私の中に入って来る。

 なまめかしく動き、殿下に呼び覚まされたように私の体も熱くなる。
 殿下の腕が私を抱き、なで上げられた背筋が甘くぞくっとした。

「んっ……」
 思わずもれた声に、殿下の舌は動きを激しくする。

 歯元を舐め、上あごを愛撫し、舌をからめる。私は抵抗もできず、ただその動きにとろけ、声をもらす。

「このまま……いい?」
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