「君を絶対愛さない」と言ったクールな警視正に滾る愛を刻まれました
一、
盛夏の八月八日、二十八歳の誕生日を迎えた私、飛島美月は、仕事を終えてから恋人にホテルレストランでお祝いをしてもらっている。
「予約してくれてありがとう。ここ凄く人気があるって聞いた」
私は飲食店の流行りなどについて疎く、会社で一番仲のいい同僚にレストランの名前を伝えた時にそう教えられた。
恋人の大塚陽平は柔和な顔で私を見つめる。
「いろいろ考えたけど、美月はこだわりが強いところがあるし、下手に高いプレゼントを渡すより、美味しい食事の方が喜ぶと思ったんだ」
私のために選んでくれたならなんだって嬉しいけれど、陽平がそう思うのは無理もない。
仕事をとても大切にする弁護士の父の背中をずっと見ていたので、高校生の頃にはインテリア関係の仕事に就きたいと、将来のビジョンを明確に持っていた。
「予約してくれてありがとう。ここ凄く人気があるって聞いた」
私は飲食店の流行りなどについて疎く、会社で一番仲のいい同僚にレストランの名前を伝えた時にそう教えられた。
恋人の大塚陽平は柔和な顔で私を見つめる。
「いろいろ考えたけど、美月はこだわりが強いところがあるし、下手に高いプレゼントを渡すより、美味しい食事の方が喜ぶと思ったんだ」
私のために選んでくれたならなんだって嬉しいけれど、陽平がそう思うのは無理もない。
仕事をとても大切にする弁護士の父の背中をずっと見ていたので、高校生の頃にはインテリア関係の仕事に就きたいと、将来のビジョンを明確に持っていた。
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