「君を絶対愛さない」と言ったクールな警視正に滾る愛を刻まれました
 熱は三十七度五分まで下がっていた。

 どうりで身体が軽いわけだ。汗をたくさんかいて、体温が上がりきったのかも。

 ただ、宅配ボックスに届いていた荷物を回収して整理を終える頃には、せっかく回復したわずかな体力は尽きてしまった。

 解熱鎮痛剤を飲んで再び布団にくるまる。巧さんから返事はきていない。

 休憩が取れているといいのだけれど……。

 そんなことを考えているうちに眠りがゆっくりとやってきた。

 それからの数時間は、熱くなって汗を拭いながら布団を蹴り飛ばしたり、寒くなって丸まったりの繰り返しだった。

 休んでいるようでいて力を消耗しているような時間は苦痛を伴い、長時間横になっているから腰も痛くなってきた。

 かといって起きていると回復が遅れるし、仕方なく気分転換にネットサーフィンなどをして時間を潰す。

 やることもないし、少し早いけれどシャワーを浴びようかな。ようやく十八時になり一日の終わりが見えてきた。

 こんなふうに一日が早く過ぎてほしいと切望したのは記憶にない。私って意外とアクティブな人間だったのかと、二十八歳にして初めての発見だった。
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