「君を絶対愛さない」と言ったクールな警視正に滾る愛を刻まれました
「私はたぶん上手に甘えられない性格です。でも巧さんには何故か頼ることができています。だからすごく感謝しているんです」

 真剣に、でも、仰々しくならない調子で言うと、巧さんは呆気に取られてその場に立ち尽くした。

「これからも末永くよろしくお願いします」

 思い返せばプロポーズを受けた時から今まで、巧さんへはっきりとした言葉を送っていなかった。

 今日のお礼だけのつもりが、封を切って中から溢れ出すように気持ちを紡いでしまった。これこそが巧さんへの想いが育っていた証拠。

 私、ちゃんと巧さんのこと好きになれそう。

「こちらこそ、よろしく。美月ちゃんと再会できてよかったよ」

 巧さん、今日はよく笑う。もっとこの笑顔が増えるといいな。

 幸せなひと時が指の隙間からこぼれ落ちないように、今日という日をずっと忘れないで思い出せるように、両手ですくって大事に胸へと抱え込んだ。

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