「君を絶対愛さない」と言ったクールな警視正に滾る愛を刻まれました
四、
週の半ばに会社を休み、居心地の悪さに耐え切った八月の最終日に母への挨拶を済ませ、慌ただしく迎えた週明け。
人の噂も七十五日って、正直その日数すら耐えられない。
地獄のような二週間はあっという間だったような気がするけれど、一日にかかる精神的疲労があまりにも大きかったので、もの凄く長かったような疲労度がある。
会社に行くのが億劫になる日が訪れるなんて夢にも思わなかった……。
陽平とは別れてから一度も会話をしていない。私へ用事がある場合必ず間に誰かを挟んでコンタクトを取ってくるし、そうされると私も同じように直接関わらないように対処しなければならなくなった。
迷惑を掛けていることで仕事に対する自信を失くし、自己肯定感がどんどん下がっていく感覚に襲われている。
異動まであと二週間となったが、陽平がいなくなったら状況は変わるのだろうか。正直、なにも変わらない気がしていて、出口の見えないトンネルに入り込んでしまったみたいだ。
毎朝出社する時に気持ちを切り替えようと意気込むのに、周りの些細な反応に敏感に反応して前向きな気持ちがしぼむ。