「君を絶対愛さない」と言ったクールな警視正に滾る愛を刻まれました
「飛島さん、代わりましょうか?」

「え?」

「わりと急ぎの案件ですよね。また突発的に休んだら、スケジュールが乱れるじゃないですか。ほら、持病もあるんだし」

 みんなあからさまに見てきはしないけれど、私たちの会話に聞き耳を立てているのが分かる。その証拠に誰も口を開かず静まり返っているから。

 先週体調不良で休んだのは事実だが、持病が原因になったことは一度もない。

 もしかしてずる休みと思われているのだろうか。もしくは精神的な理由とか。

 言葉の裏側には何通りもの真意が深読みできて、なにが正解か判断できず返事ができない。

「えっと……」

 頭が上手く回らず、ドッドッと拍動する心臓の音が不安感を煽った。

 私たちのやり取りを静観していた麻美が眉根に皺を寄せ、口を開こうとした時だった。

「飛島さんが休んだのって、片手で数えられるくらいじゃないですか? プライベートを優先するために有給休暇を使ったこともないし、急ぎならむしろ適任だと思いますけど。仕事も早いし」

 淡々と言う野田さんを瞬きせず見つめる。驚きすぎて、ただ傍観することしかできない。
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