「君を絶対愛さない」と言ったクールな警視正に滾る愛を刻まれました
歩きながら隣を見上げる。視線に気づいた巧さんが「ん?」と首を傾げる。
……うん、やっぱり好きだ。
身体の内側から込み上げる愛おしさを表に出せないのが辛い。いきなり好きですって告白したら困らせるだけだもの。でも、時期をみて伝えたい。
別に巧さんに同じ熱量を返してほしいという欲はない。私は巧さんが好きで、勝手に愛おしいと感じていて、これからは妻として巧さんのそばで幸せな生活を送る。ひとまず、それでいいんじゃないかな。
自覚した恋心が心と足取りを楽しくさせる。
「どうした?」
「ん? なにがですか?」
「笑っているから」
無意識に笑っていたようで、巧さんに不思議な顔をされた。
「楽しいなぁと思って。って、さっきも同じような会話しましたね」
クスクスと肩を揺らすと巧さんは「確かに」と相槌を打つ。
九月初旬は夏の気配が残ってはいるものの、黄昏が下りてくるのは早くなった。生温い風が肌を撫でる感触に目を細める。
巧さんと秋をどう過ごすか想像したらやっぱり楽しさが溢れてきて、緩む口元はなかなか引き締まらなかった。
……うん、やっぱり好きだ。
身体の内側から込み上げる愛おしさを表に出せないのが辛い。いきなり好きですって告白したら困らせるだけだもの。でも、時期をみて伝えたい。
別に巧さんに同じ熱量を返してほしいという欲はない。私は巧さんが好きで、勝手に愛おしいと感じていて、これからは妻として巧さんのそばで幸せな生活を送る。ひとまず、それでいいんじゃないかな。
自覚した恋心が心と足取りを楽しくさせる。
「どうした?」
「ん? なにがですか?」
「笑っているから」
無意識に笑っていたようで、巧さんに不思議な顔をされた。
「楽しいなぁと思って。って、さっきも同じような会話しましたね」
クスクスと肩を揺らすと巧さんは「確かに」と相槌を打つ。
九月初旬は夏の気配が残ってはいるものの、黄昏が下りてくるのは早くなった。生温い風が肌を撫でる感触に目を細める。
巧さんと秋をどう過ごすか想像したらやっぱり楽しさが溢れてきて、緩む口元はなかなか引き締まらなかった。