「君を絶対愛さない」と言ったクールな警視正に滾る愛を刻まれました
指輪を選びに行った翌日の日曜日に、私が婚前契約書を読み直していた流れから婚姻届を提出した。
生活費や夫婦に関わるお金はすべて巧さんが負担すると記載されていて、その箇所を確認するためだけに手に取ったのだが、巧さんの目には違う意味合いで映ったのかもしれない。
『早く婚姻届を提出してけじめをつけたい』と言われたから。巧さんが一日でも早く結婚する理由はないはずだし、たぶんそうなんじゃないかな。
互いに日付のこだわりはなく、休日の予定も立っていなかったので、九月八日が結婚記念日となった。
証人欄は母と、巧さんが懇意にしている同僚の矢沢さんという男性に書いてもらった。
その日のうちに部長と麻美にはお見合い結婚をし、詳しいことについては出社した時に説明する旨を書いて送った。
部長からはいたって冷静な祝福の返信があり、麻美は予想通りテンションがおかしい内容が返ってきた。