「君を絶対愛さない」と言ったクールな警視正に滾る愛を刻まれました
「話を聞いている限り、巧さんも美月を好きだと思う」
「それはないよ」
脊髄反射のごとく否定の台詞が口から飛び出た。自分で言っておきながら悲しくなるが、その可能性はまずない。
「そうかなぁ」
麻美は納得いかないといった顔で唸る。
「出会って付き合って、半年経つくらいまではだいたいみんな脳内がお花畑になるよね。ふたりはそういうのはないけど、ちゃんと愛情がある気がする」
お花畑という発言に笑ってしまう。私も陽平と付き合ったばかりの頃がそうだった。
「好きにもいろんな形があるしさ、巧さんなりの好きを、美月に抱いているんじゃない?」
巧さんへ抱く愛情は、陽平へ抱いたそれとは似ても似つかない。でもドキドキするし、もっと巧さんを知りたいし、彼のそばにずっといたいと切望するのは好きだから。じゃあ、巧さんは私にどんな感情を持っているのか――。
「それは分からない」
他人の気持ちほど不透明なものはない。その人の想いはその人にしか分からないので、深読みするだけ時間の無駄なのだ。
だから〝私は巧さんが好き〟という事実だけでいい。予想して不安になるくらいなら最初からその思考を捨てておく。
「それはないよ」
脊髄反射のごとく否定の台詞が口から飛び出た。自分で言っておきながら悲しくなるが、その可能性はまずない。
「そうかなぁ」
麻美は納得いかないといった顔で唸る。
「出会って付き合って、半年経つくらいまではだいたいみんな脳内がお花畑になるよね。ふたりはそういうのはないけど、ちゃんと愛情がある気がする」
お花畑という発言に笑ってしまう。私も陽平と付き合ったばかりの頃がそうだった。
「好きにもいろんな形があるしさ、巧さんなりの好きを、美月に抱いているんじゃない?」
巧さんへ抱く愛情は、陽平へ抱いたそれとは似ても似つかない。でもドキドキするし、もっと巧さんを知りたいし、彼のそばにずっといたいと切望するのは好きだから。じゃあ、巧さんは私にどんな感情を持っているのか――。
「それは分からない」
他人の気持ちほど不透明なものはない。その人の想いはその人にしか分からないので、深読みするだけ時間の無駄なのだ。
だから〝私は巧さんが好き〟という事実だけでいい。予想して不安になるくらいなら最初からその思考を捨てておく。