「君を絶対愛さない」と言ったクールな警視正に滾る愛を刻まれました
 今晩は巧さんが会社の人と飲みに行くというので、夕飯は作らずにスーパーでお惣菜を買って食べた。

 巧さんがプライベートの予定を入れるのって、同居開始から一ヶ月半のなかで初めてだ。私は麻美と遊んだり、美容院やネイルサロンに出掛けたりしたけれど。

 彼の過去の出来事もあって孤高の人というイメージを持っていたので、交友関係があると知って少し安心した。

 ふたりきりで飲むらしいし、きっと気兼ねなく過ごせる相手なんだよね。

 それにお酒を飲むということは、緊急を要する仕事を現在扱っていないということだし。のんびり過ごせているといいな。

 食事を終えてからシャワーを浴びるか迷った挙句、資格の勉強をすることにした。

 お風呂に入ると眠たくなっちゃうし、巧さんが帰ってくるまで勉強しよう。

 余裕を持って進めていたおかげで最近時間が取れなくても大丈夫だったが、それでも自信を持って挑めるところまでにしておきたい。

 過去の問題集を解いて答え合わせをし、間違えたところを集中的に復習していると、コンセントに繋いで充電していたスマートフォンが鳴った。

 巧さん……ではないよね。
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