「君を絶対愛さない」と言ったクールな警視正に滾る愛を刻まれました
俺を子ども扱いしないで、もうすぐ大人になるひとりの人間として尊重していたのは伝わったし、一語一句取りこぼしがないように傾聴する姿には好感を持った。
次第に憲明さんと会うことが目的となり、朗らかな笑顔に出迎えてもらうことに癒しを感じていた。
だから親族を頼ってはいけないと判断し、代わりに未成年後見人になってもらえる人は誰かと考えた時、すぐに憲明さんの顔が浮かんだし、彼以外に考えられなかった。
断られるのは百も承知で、勇気を振り絞って憲明さんに願い出たところ、意外にもすんなり了承してもらえた。
どうやら俺と初めて会って事情を聞いた時から、その可能性も出てくるかもしれないと予想していたらしい。
どうして憲明さんにそこまで心を許したのかは、当時の俺に聞いてみないと分からない。だが喪失感と虚無感で支配されていたあの頃は記憶が曖昧な部分が多く、ましてや感情の流れなど覚えているわけがなく。
今になって振り返ると、弁護士という人の権利と利益を守る職業に絶対的な安心感を抱いていたのだと思う。
なにかに縋らないと自分を保てなかったから、憲明さんの優しさに守ってもらいたかったのだ。
……弱い子どもだったな。
次第に憲明さんと会うことが目的となり、朗らかな笑顔に出迎えてもらうことに癒しを感じていた。
だから親族を頼ってはいけないと判断し、代わりに未成年後見人になってもらえる人は誰かと考えた時、すぐに憲明さんの顔が浮かんだし、彼以外に考えられなかった。
断られるのは百も承知で、勇気を振り絞って憲明さんに願い出たところ、意外にもすんなり了承してもらえた。
どうやら俺と初めて会って事情を聞いた時から、その可能性も出てくるかもしれないと予想していたらしい。
どうして憲明さんにそこまで心を許したのかは、当時の俺に聞いてみないと分からない。だが喪失感と虚無感で支配されていたあの頃は記憶が曖昧な部分が多く、ましてや感情の流れなど覚えているわけがなく。
今になって振り返ると、弁護士という人の権利と利益を守る職業に絶対的な安心感を抱いていたのだと思う。
なにかに縋らないと自分を保てなかったから、憲明さんの優しさに守ってもらいたかったのだ。
……弱い子どもだったな。