「君を絶対愛さない」と言ったクールな警視正に滾る愛を刻まれました
美月に冷たくて指先が限界だと訴えられて、それはよくないとレバーを下げる。タオルで拭いて確認したところ赤みはなく、どこを火傷したのか分からない。
ソファへ移動して絆創膏を貼ったところで、美月が「よく火傷するんですけど」と口走った。
酔っているせいではなく意外とそそっかしいのか。だからといって料理をするなとは言えない。どうしようもないのか……。
「だいぶ酔っています?」
それはこっちの台詞だ。
「酔ってはいるけど、これくらいでは酔わない」
「どっちですか」
歯を見せて笑う美月を見て、張り詰めていた糸がふっと緩まった。
過保護過ぎたな。本人はいたって平気そうで、むしろ元気だ。
「はいはい、そこの新婚さん。見つめ合っていないで、俺の渾身の豚キムチ炒めを食べてくださーい」
矢沢は声量を調整する機能が壊れたようだ。もはやただの酔っ払いと断言できる。
にこにことご機嫌の笑顔を振り撒いて、矢沢は大皿をテーブルに置いた。
俺を真ん中にして、左側に美月、右側に矢沢が座る。三人掛けのソファなので用途としては間違っていない。ただ普通に窮屈だ。
しかしそんな感想を抱いているのは俺だけらしく、ふたりは無邪気に笑って食事を楽しんでいる。
ソファへ移動して絆創膏を貼ったところで、美月が「よく火傷するんですけど」と口走った。
酔っているせいではなく意外とそそっかしいのか。だからといって料理をするなとは言えない。どうしようもないのか……。
「だいぶ酔っています?」
それはこっちの台詞だ。
「酔ってはいるけど、これくらいでは酔わない」
「どっちですか」
歯を見せて笑う美月を見て、張り詰めていた糸がふっと緩まった。
過保護過ぎたな。本人はいたって平気そうで、むしろ元気だ。
「はいはい、そこの新婚さん。見つめ合っていないで、俺の渾身の豚キムチ炒めを食べてくださーい」
矢沢は声量を調整する機能が壊れたようだ。もはやただの酔っ払いと断言できる。
にこにことご機嫌の笑顔を振り撒いて、矢沢は大皿をテーブルに置いた。
俺を真ん中にして、左側に美月、右側に矢沢が座る。三人掛けのソファなので用途としては間違っていない。ただ普通に窮屈だ。
しかしそんな感想を抱いているのは俺だけらしく、ふたりは無邪気に笑って食事を楽しんでいる。