「君を絶対愛さない」と言ったクールな警視正に滾る愛を刻まれました
「可愛いし、綺麗だ」

「待って、本当に恥ずかしい」

 顔を隠した手を掴んでどかすと、美月は瞳を潤ませた色っぽい表情に変化していてゾクッと身体が疼いた。

「美月、好きだよ」

「私も、好きです……」

 たどたどしい口調なのがまたなんとも言えない。受け取るだけでいいのに、きちんと言葉にして返してくれるところも愛おしい。

 吸いつくような柔らかな肌のあらゆるところに口づけを落とし、美月に体重を預けて身体を重ねる。

 俺だけでなく美月の肌も汗ばんでいて、行為が深くなるにつれて混じりあい、どちらのかが分からなくなる。

 暇している方の手でしなやかな下肢を持ち上げ、その軽さに内心驚いて美月を見下ろした。

 大切に抱かないと壊れそうだ。

 美月は熱に浮かされているように苦しげな表情をしているが、敏感なところに舌を這わすと吐息交じりの甘い声をこぼす。

 滅多に敬語を崩さず、しっかり者の美月が乱れている。それだけで鼓動が激しくなり、疼きが全身を駆け巡った。

 コンドームをつけて、ゆっくりと時間をかけて奥まで到達すると、美月は身体をぶるっと震わせて俺の背中に手を回した。

 必死にしがみつく姿に情欲が掻き立てられ、これ以上理性を保つのは無理だった。

「美月、愛している」

「わ、たし、も……」

 それ以上言葉を紡げないほど美月を愛し、ふたり揃って快楽の海に溺れた。


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