「君を絶対愛さない」と言ったクールな警視正に滾る愛を刻まれました
「お待たせ。出られるか?」
「はい」
「出る前に、湿布を新しいのに変えようか」
眠る前に貼ったので冷たさはまったく感じなくなっている。病院に行くし、剥がして行こうとすら考えていた。
ソファに座って湿布を持ってきてくれる姿を静観していると、おもむろに私の足元に跪いたので「え!」と慌てた。
すると疑問符を浮かべた表情で見上げられ、思った以上に近い距離に顔があって心臓が早鐘を打つ。
「自分でできます」
「遠慮しなくていいから」
胸がドキドキと激しく鳴って声が出せない。
巧さんは壊れ物を扱うように私の足を自身の太腿にのせ、湿布をゆっくりと剥がしてから新しいものを優しく肌にのせた。
感じた太腿の感触と、湿布の冷たさに肩を跳ねさせる。巧さんは手の動きを止めて上目遣いでこちらの様子を窺った。
いい大人が大袈裟に反応して恥ずかしい。
口をぎゅっと横に結んで沈黙を守っている私を数秒見つめた後、巧さんは全てのフィルムを剥がして片手でそっと押さえる。
終始こちらを気遣う所作に、照れ臭さと嬉しさが入り混じってむず痒い。
「ありがとうございます」
「行こうか」
立ち上がった巧さんは流れるような動きで、テーブルに置いてあった鍵と財布とスマートフォンを持つ。玄関へ向かう背中に続いて、まだ自身の鼓動を全身で感じながら外へ出た。
「はい」
「出る前に、湿布を新しいのに変えようか」
眠る前に貼ったので冷たさはまったく感じなくなっている。病院に行くし、剥がして行こうとすら考えていた。
ソファに座って湿布を持ってきてくれる姿を静観していると、おもむろに私の足元に跪いたので「え!」と慌てた。
すると疑問符を浮かべた表情で見上げられ、思った以上に近い距離に顔があって心臓が早鐘を打つ。
「自分でできます」
「遠慮しなくていいから」
胸がドキドキと激しく鳴って声が出せない。
巧さんは壊れ物を扱うように私の足を自身の太腿にのせ、湿布をゆっくりと剥がしてから新しいものを優しく肌にのせた。
感じた太腿の感触と、湿布の冷たさに肩を跳ねさせる。巧さんは手の動きを止めて上目遣いでこちらの様子を窺った。
いい大人が大袈裟に反応して恥ずかしい。
口をぎゅっと横に結んで沈黙を守っている私を数秒見つめた後、巧さんは全てのフィルムを剥がして片手でそっと押さえる。
終始こちらを気遣う所作に、照れ臭さと嬉しさが入り混じってむず痒い。
「ありがとうございます」
「行こうか」
立ち上がった巧さんは流れるような動きで、テーブルに置いてあった鍵と財布とスマートフォンを持つ。玄関へ向かう背中に続いて、まだ自身の鼓動を全身で感じながら外へ出た。