「君を絶対愛さない」と言ったクールな警視正に滾る愛を刻まれました
「……毎日経過連絡をさせてもらうというのはどうでしょう?」

「そういえば連絡先を交換していなかったな」

 巧さんはスマートフォンを手に取ってメッセージアプリを開く。流れで私もアプリを立ち上げ、連絡先を交換した。

 巧さんのアイコンは砂浜を裸足で歩いている短パンとティーシャツの後ろ姿。

「海がお好きなんですか?」

「ああ」

「泳いだりとか?」

「眺めたりするのが好きかな」

 砂浜でたそがれている巧さんの姿を想像してみる。

 海と巧さん、似合う。

 私のアイコンはお洒落なカフェで麻美に撮ってもらった俯き顔の写真だ。これについては特に触れられず話はまた巻き戻る。

「ひとまず泊まる用意もして。診察次第で決めよう」

「……分かりました」

 話し合っても平行線を辿りそうだし、診察次第というからには終わるまで付き添う意思が感じられる。

 それならさっさと病院に行って、医師から大丈夫というお墨付きをもらったほうがいい。巧さんにも安心してもらえるし。

 ボストンバッグに必要最低限の荷物を詰め、段ボールを持ってくれた巧さんと共に部屋を出た。
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