「君を絶対愛さない」と言ったクールな警視正に滾る愛を刻まれました
 美月ちゃんは目を丸くして動きを止め、それから目を伏せると、指を曲げたりして考えている仕草を取った。

 昨晩は気が動転する出来事があっただけであって、本来は物事を論理的に考えられる落ち着いた女性なのだろう。

 美月ちゃんの睫毛が長くて綺麗だと感想を抱くほどの時間眺めていると、何かを考える表情が一変して、ふっと小さく笑った。

「お言葉に甘えて、そうさせてもらいます」

 可愛らしい笑顔と肯定的な言葉に胸がすっと軽くなった。断られる覚悟はしていたけれど、それ以上に期待もしていたのだと自分の傲慢さを認める。

 彼女の方がよほど大人だ。なにより期待ってなんだ。美月ちゃんに対して恋愛感情を抱いているわけではないのに。

 自分が自分で分からなくなり、理解できない部分を探求したい欲求が出てくる。

 彼女と過ごすなかで、この名前のつけられない感情について真剣に考えてみたい。
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