「君を絶対愛さない」と言ったクールな警視正に滾る愛を刻まれました



 冷えたお茶をグラスに入れ、ソファに座ってから今後について話し合う。

「病院で安静にと言われたし、家のことはなにもしなくていいから、ゆっくり休んでほしい」

「それが私には難しいんですよね。動いていないと落ち着かないというか」

 美月ちゃんの性分は自分と似ており、無理に抑えつけたくはない。

「それならできる範囲でいいから食事を頼んでいいか?」

 先ほど料理が趣味だと話していたし、座りながらだったり、休憩を挟みつつなら他の家事に比べたら負担は少ないはず。

「もちろんです」

 美月ちゃんは分かりやすく表情を明るくした。

「巧さんのルーティンはどんな感じですか?」

「朝はパンと珈琲で、昼は警視庁内で食べたり外食したり、食べなかったり様々だ。夜はなるべく自炊を心掛けている」

「そうなんですね」

 本当は昼食をとることはまれで、時間に追われ、いつも気づいたら退社時刻になっている。時間があってもわざわざ席を外すのが面倒くさい時には、デスクにストックしている栄養補助食品などをつまんだりしている。
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