「君を絶対愛さない」と言ったクールな警視正に滾る愛を刻まれました
熱中していたら気づくと十三時を過ぎていた。
しまったな。美月ちゃん、お腹空かせていないだろうか。
部屋を出てリビングの扉を開けるとキッチンから音がしたので顔をのぞかせると、美月ちゃんが「あっ」というような表情を浮かべた。
「巧さんも食べますか? 豚しゃぶサラダうどん」
「食べたい」
「ナイスタイミングですよ。今からうどん茹でるところだったので」
手元に視線を落としながら話す姿は相変わらず自然体で、なんだかもうずっと一緒に過ごしているかのような空気感がある。
昼食の用意をしてくれている横でグラスに冷えたお茶を注ぎ、箸二膳と共にダイニングテーブルへ運ぶ。
「ありがとうございます」
「こちらこそありがとう」
何気ない会話が心を温かくさせる。この部屋に越してきて初めて部屋に明るさが灯った気がした。