「君を絶対愛さない」と言ったクールな警視正に滾る愛を刻まれました
「加えて俺は、仕事とは別に追っている事件があって、休日はそちらに時間をさくこともある」

 美月ちゃんと再会した日もそうだった。これまでに膨大な時間をかけてきたが、あの日もたいした情報は得られていない。いったいいつになれば解決するのか……。

「すみません意味が……いえ、巧さんの仕事が忙しいのと、結婚願望がないというのは理解したんですけど。それなのに私と結婚するというのが、わけが分からなくて」

「そうだよな。すまない」

 突発的な提案だったので順序立てて説明できていなかったようだ。

「契約結婚であれば最初からこの点を理解してもらえるし、俺としては結婚してもらえたらありがたい」

「契約結婚」

 衝撃的なワードだったのか、美月ちゃんは呆然とした表情で小さく呟いた。
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